たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第１・第２の日曜日の９時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
投稿作品
福村まことさん
「幻と歩むに重い登山靴」
「自画像の修整拒む夏時間」
「群れながら背を向けあっている家族」
「一度だけ振り向いてみる誕生日」
高良俊礼さん
「花なべて散らしてのちの寂の風」
一橋悠実さん
「キャッチするだけで褒められてた両手」
「平和とは何ぞやツイッターの青」
「上に居る偉いと思い込んでいる」
城水めぐみさん
「冬の色ばかり集まる千羽鶴」
砂狐さん
「亡霊の匂いで誘う黄水仙」
「狐火に餌をやらなきゃ帰らなきゃ」
川合大祐さん
「兄もなぜ両棲類に生まれたか」
「春寒しブレヒトの書く子守唄」
「せどり屋がビンゴ大会ぬけ出して」
猫又さん
「啓蟄に埋め戻された黒歴史」
「なけなしの春を浚って釘煮炊く」
涼閑さん
「寝返りを打つ度聞こえる風の歌」
「思い出がジグソーパズルになり夜明け」 「しっぽから立ちのぼる湯気朝ですよ」
「空を斬る白い風車と光る雲」
徳道かづみさん
「無精卵短い夢を見たんだね」
「桃の花嘘は可愛くかぐわしく」
「この街にあたしはいるよ またおいで」
千春さん
「病んでいる人だがすごい苺臭」
「うさぎうさぎ春うさぎ、生きろ」
恵庭弘さん
「ベーシックインカム導入早くして！」
「深くなるマスクの下のほうれい線」
「アイシャドウ ブルーがそそる 広報官」
川端日出夫さん
「雛あられ弾けるように弄ぶ」
「満開の梅に傷口薄くなる」
「正論はいちごのへたを取ってから」
今月の気になる作品
朧（ろう）さん
「わきまえたパイナップルを星にする」
＝こと訳も見のほどもわきまえたパイナップル。
ごつごつの姿のまま甘い香り漂う芳醇な星にし、
移住するのもいいかもしれませんね。
猫又さん
「小綺麗に皿に盛られた我が屍」
＝屍になれば小綺麗に整えられる。
いずれは皿に盛られる
みずからの姿を思いつつ、
きれいもきたないもひっくるめての生を思う。
高良俊礼さん
「さくらさくら失くしたものを捨てられず」
＝はらはらと失くしたもの。
風に攫われても、捨てられず残るものがある。
それはたぶん形なく、美醜にかかわらず
自分を自分たらしめているもの。
福村まことさん
「廃駅の夕暮れ時に湧く微熱」
＝ひと気なく寂れた廃駅。
きょうのプロローグとしての夕暮れ時は、
湧いてくる微熱とともに、
あすへのほのかなエピローグとなってゆく。
※ここで、お問い合わせをいただきました件についてです。
＝お問い合わせ、ありがとうございます。
福村まことさんから、「発表済みの句でも受け付けていただける
と聞きましたが、いかがでしょうか」ですが、このコーナーでは
発表・未発表の是非は問いませんので、ふるってご応募ください。
ただし、主催される句会やコンコール等への発表、句集等の書籍
物の掲載によっては、本コーナーを含めて、他での発表や掲載等
一切の公表をしてはいけないといった制約等のあるケースがあり、
そういった場合には本コーナーへの投稿はお控えください。
なお、こうした制約等につきましては選者ならびに弊社では一切
関知していませんので、制約等に関する違反事項について一切の
責任を負いかねますので、投稿される皆さんの責任のもとご応募
くださいますよう、お願い申し上げます。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「４月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、４月５日となります。
４月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。