たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
「川柳の時間」
今月、ご投句いただいた中から掲載する「川柳の時間」ブログ版です。
今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
さて、先月来ご案内しましたように、今月からの「川柳の時間・ブログ版」は、
投稿作品の中から、各週の選者が「今月の気になる作品」を選考し、掲載する
形式に変更することとなりました。
これからも番組コーナーともども、よろしくお願いいたします。
今月の気になる作品
砂狐さん
「デジタルの雨がやんだら赤い傘」
=デジタルとびとびのよそよそしい雨がやむ。
さあ赤い傘をさしてアナログのリアルに戻りましょう。
高良俊礼さん
「水滴は意識下に満つ可視のもの」
=一滴、また一滴。意識下に落ちる水滴があるとき満ちる。
見えなかったことが見える時を迎える。
福村まことさん
「仏去りメニューに残る擦過傷」
=いましがたまでたしかに仏が居たのだろう。
メニューに記されているのは四苦八苦か六道か。
残る傷の痛みを負うのはメニューを手にするもの。
西尾幸恵(にしおゆきえ)さん
「須臾(しゅゆ)の間か梅雨に隠れた月に問う」
=須臾とはほんの一瞬。
あるいはしばらくの間。
ひとの命もまた。
その長さを梅雨闇漆黒の背後の月に問う。
答えを得ること叶わぬと知りつつ。
浪速のマッキントッシュさん
「風船は骸(むくろ)の人の手のひらへ」
=この世の旅を終えた躰。
その人のてのひらの風船はこれから天へ向かってあたらしい旅へ。
史っさん
「ピアノ線ほどいて月を手に入れる」
=強靭なピアノ線をほどく。
手に入らない月へ伸ばす手。
それは自由の手。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「7月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、7月4日となります。
7月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。