「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-
皆さんお元気ですか?
玉井順子です!
今月の「市立病院の得した気分!」は「他人事ではない痔の話」について、外科医·岡空達夫(おかそら たつお)先生 外科部長·賓田哲宏(はまだてつひろ)先生にオンラインでお話しをお聞きしました。
岡空先生(向かって左) 賓田先生
·肛門の病気(痔)の種類
痔はいぼ痔(痔核)·きれ痔(裂肛)·あな痔(痔瘻)の3種類あり、それぞれ違う病気で原因もそれぞれあるそうです。
全体的には下痢や便秘、過度のいきみ、デスクワークなど長く座ることで血流が悪くなり、リスクが高くなるそうです。特にトイレで長く座りながらいきむことはリスクも大きくなるとのことです。
·宝塚市立病院を受診される肛門疾患の患者さんは?
宝塚市立病院を受診される肛門疾患の患者さんの多くは、手術後に再発や、痔瘻の方など非典型的な症状の方が比較的多いそうです。
賓田先生曰く、岡空先生にはそれらの専門性の高い治療や手術をお願いしています、とのことです。
·痔の中でも多い「いぼ痔」について?
3種類の痔の中で半数以上を占めるのがいぼ痔。
その原因は··?
肛門の奥と出口は.肛門クッションと呼ばれる静脈の塊で囲まれているそうです。
通常は縮んでいるんですが、息むと静脈に血液が集まり膨らんでクッションの役割を果たすそうです。
ところがトイレなどで長く座る、強く息む人などは、大きく膨らみ多くの血液が溜まる(うっ血)状態になり、それが慢性的に起こると表面が薄くなり、風船の様に膨らんだり縮んだりしていたものが、戻りにくくなり排便で息む度に壁の薄くなった静脈に血液が充満して肛門の内側で膨らんだり(内痔核)、肛門から出てしまう(脱肛)そうです。
デスクワーク·重い荷物を持つ(力仕事)·飲酒·香辛料の多い食事、また妊娠や出産時に起こる可能性も···!
·気をつけることは?
飲酒や辛い香辛料などの取りすぎに気をつける事や長い間座り続けないこと、1時間に1度は立って歩く様にしてください、とのことです。
·いぼ痔の治療について!
病状の進行度によって4段階に分かれます。
1~2度は、うっ血を起こさない様に、食事、薬、生活の質を変える。
3度以上は薬では難しいので、手術になるのですが、以前はメスを使う(痔核根治手術)しか無く、術後の痛みが強いと言われていました。
今はジオン注射による方法で治療出来るようになり、排便なども含めて術後の痛みが無くなって来たそうです。
ただ、症状が進むとジオン注射が出来ないこともあるので、傷みや出血など、症状がみえたらなるべく早めにかかりつけ医や宝塚市立病院に相談してください、とのことです。
いぼ痔は、出ても戻すことが出来て、その時点では痛みは感じないそうです。
やがて出たままになってしまう、そうすると痛みが 出るそうで、そうなると辛くなると思います。
いぼ痔に限らず、早めに相談することは、その後の治療などを考えても大切なんだなぁ?とお話しを聞いていて思いました。もしかしたら命に直結した病気では無いかも知れませんが、生活の質には大きく関わる病気ではないでしょうか?