原点は「つちたまとピカソ?」-たからづかタウンガイド-
皆さんお元気ですか?
玉井順子です!
ゲストコーナー、
今回は画家の樋口愛(ひぐち あい)さん
にお越し頂き現在開催中の個展や樋口さんの絵に対する考え方など色々興味深いお話しを伺いました。
·画家を目指すきっかけは?
大阪出身の樋口さんは、小さい頃から絵が好きで描いていたそうですが、画家になりたい!という思いはなく、大学も関西学院大学の法学部に進み、卒業後も一般企業に就職。
ただ「一生に一度個展を開きたい!」と言う夢があったそうですが、残業続きでなかなか絵が描けないため、退職し絵の勉強を始めたそうです。
ある時ピカソ展を観に行った時に「キャンパスの中に、足や頭など体の部分がバラバラに配置されているのに、何故か成立している統一している」と感じたことに衝撃を受け、本格的に画家になろうと思ったそうです。
体の部分がバラバラに置かれているのを観てバラバラなのに成立している、辻褄が合っていると感じる樋口さんの感性と、きっと偶然という必然で出会ったピカソの絵が運命だったのかも知れませんね!
·「つちたま」とは?
樋口さんの絵の原点でもある「つちたま」は、20代の頃、チューリップの球根を植えている時、花が咲いて枯れていく間にも土の中では養分を蓄えていて、次の花に繋がっていく。
「球根」=「土に植わっている球」=「つちたま」=「たましい」=「自分自身」
に気づき、
自分自身が球根の様に、日々の事柄全てを養分にして、それを元に作品をうみ出せたらと思った、と樋口さん。
そしてその考えは自分自身にも反映するとのことで、作品を描くときにもインスピレーションのみではなく、自分自身が経験したり感じたりした過去の出来事が反映していて、今の自分は過去と繋がっている、と感じることがあるそうです。
絵を描くときも最初に思いついたまま描いて、全部消して薄く残った線からインスピレーションしてまたそこから描いたりするそうです。
見えている絵の後ろに見えない絵がある···!
見えない絵があるから完成形がある、というのはまさに「つちたま」なんですね?
·樋口愛さんの個展が開催中!
ピカソの絵に衝撃を受けてから本格的に画家を目指し、「一生に一度個展を開きたい」そんな思いは、1度ではなく日本中で沢山個展を開き、子どもたちにも教えている樋口さん。
その樋口さんの個展が宝塚市立文化芸術センターで開催中です!
·個展のタイトル「今日といふ日」への思い!
今日という日は毎日来るけど、それは過去の積み重ねで日々は繋がっている、が「つちたま」と考えが繋がっているのでは?との思いと、たまたま置いてあったメモ帳に書いてあった言葉「今日といふ日を大切に」の言葉が気に入って表題にしょうと思ったけれど少し長かったので、大切に!との思いとともに「今日といふ日」にしたそうです。
テーマにも偶然と色々な思いがあったんですね?
·例えば···!
30点以上の作品が展示されているのですが、例えば散歩をしている時に落ち葉を見つけて「落ち葉は養分になり次の年また咲かせる」「つちたま」を感じながら描いた作品、
飼うつもりが無かったけれど弱っていたので保護したネコを育てていると母の気持ちが分かる様な気がして、ひとつの出来事がきっかけで新しいことが生まれてくる、ネコとの出会いが養分となって繋がっていく、そんな思いで描いた作品など、見えている所の奥にある物語があるようです。
絵の奥を考えてながらでも、見たままを感じながらでも自由に観て下さいとのことです。
樋口愛 個展
「今日といふ日」
日時:7月1日(金)~7月11日(月)
10:30~17:30(水曜日休館)
会場:宝塚市立文化芸術センター
キユーブホール
兵庫県宝塚市武庫川町7番64号
☆展示
☆ギャラリートーク
7月3日(日) 14:00~15:00
キユーブホールという独特の空間で、作成の元になっている考えや展示空間と作品制作との関係など、自由にみんなでトーク。予約不要
お問い合わせ:
KAZE ART PLANNING
080-8516-8391
とても可愛らしい絵です!
パンフレットを見ただけですが、思わず微笑んでしまいそうな優しい雰囲気の中に何か芯を感じる様な気がしました。
人それぞれ色々な感じ方があると思います。
良かったらぜひご覧下さい!