「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-
皆さんお元気ですか?
玉井順子です!
今回は「市立病院の得した気分!」
泌尿器科主任部長
鈴木透(すずきとおる)先生に、
前立腺がんの放射線治療の精度向上や副作用の軽減などについて、お話しをお聞きしました。
·前立腺がんについて
◊膀胱の真下にある臓器、前立腺に出来る男性だけのがんで、近年増加傾向にある前立腺がんは男性の部位別がんの罹患数のトップだそうです!
◊自覚症状は?
初期段階での自覚症状は無く、進行してくると骨などに転移すると痛みが出たり、また血尿などの可能性も—。
◊要因は?
食事の欧米化は影響していると思われるがはっきりした原因か分からないそうです。
◊気を付ける年代は?
50代以降ですが、血縁者に前立腺の方がいれば、若くても検査した方がよいとのこと。
◊検査の方法は?
血液検査でPSA腫瘍マーカーをチェック!
特に初期段階では自覚症状もないので1年に1度血液検査でチェックしてほしいのとことです。
·前立腺がんの治療について!
治療法:手術·放射線治療·ホルモン治療·抗がん剤治療。
·治療までの流れ!
◊生検(サンプルを取る)-がんだったら転移チェック-骨やリンパ節などに転移していなければ「手術」「放射線」治療。
転移があれば、「ホルモン」·「抗がん剤」治療となるそうです。
今回は、手術と放射線治療についてお聞きしました。
·手術について!
開腹手術·腹腔鏡手術·ロボット支援手術の3種類ありますが、欧米では9割日本でも8割以上がロボット支援手術だそうです。
·何故ロボット支援手術なのか?
普通の腹腔鏡手術は動きが決まっていて熟練した先生でないと難しいのですが、ロボット支援手術は人間の関節の様に動くので細かい動きが出来きるので、従来の手術より尿もれが少ないなどのデータも報告されていて、術後の患者さんの生活のクオリティ面でも優れているそうです。
どの病気もそうですが、治る事と同様その後の生活のクオリティはとても大切なポイントではないかなぁ?と思います。
·放射線治療について!
市内で唯一放射線治療を行っていて最新の治療機器を導入している宝塚市立病院。
放射線治療の期間は、月曜日~金曜日で2ヶ月くらいだそうです。
放射線治療の副作用の軽減と精度向上のために、「ハイドロゲル直腸スペーサーと「金マーカー」という処置を行っているそうです。
◊ハイドロゲル直腸スペーサー(SpaceOAR)」とは?
放射線治療の際膀胱や裏側の直腸に当たると副作用に繋がるので、なるべく当たらないように、前立腺と直腸の間にハイドロゲルスペーサーを注入することで前立腺と直腸を1cmほど離すこどが出来、直腸に照射される線量を減らすことで合併症も減らすことが出来るそうです。
◊金マーカーとは?
放射線治療を行っている時に、前立腺の場所がずれてしまったり分かりにくくなる事があるので、放射線の照射の精度を高めるため、前立腺に針を刺しマーカーを2か所挿入するそうです。
ハイドロゲルスペーサーは6ヶ月ほどで自然に吸収され、金マーカーも人体に影響はないそうです。
放射線治療の副作用としては頻尿や残尿感、更に数ヶ月や何年後か後に現れる下血や血尿などの晩気合併症 の可能性もあるので定期的にチェックが必要とのこと。
·手術か放射線治療か···?
60~70歳くらいまでの若い方は、もしも再発した場合を考えて、放射線治療とホルモン治療の2つの選択肢を残すため手術を推薦、80歳以上の方は持病や手術のストレスなども考えて放射線治療をお薦めするそうです。
前立腺がんの初期は自覚症状が無くて、骨などに転移してからだと恐らくしんどいじゃないかなぁって気がします。
鈴木先生も仰っていましたが、健康診断などの血液検査で簡単にチェックすることが出来ます。
50歳以上の方や若くても家族が罹患して不安を感じる方などは、まず年に一度の検査が大切かも知れませんね!