「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-

皆さんお元気ですか?

玉井順子です!

 

今月の「市立病院の得した気分!」は、

診療部長 兼 呼吸器外科部長

長谷川誠紀(はせがわせいき)先生に

オンラインでお話しをお聞きしました。

 

・呼吸器外科とは?

治療は基本的には手術だそうです。

呼吸器外科に直接来られる患者さんはとても少なく、ほとんどが呼吸器内科や、地域のクリニック、かかりつけ医などの紹介で、全体の1~2割位が救急搬送や直接来院される方などだそうです。

 

 

・呼吸器内科との違いは?

呼吸器内科の患者さんで手術が必要となれば呼吸器外科に回って来られるなど呼吸器内科と呼吸器外科は繋がっていて、手術を伴わない呼吸器疾患は内科で手術が必要と判断されれば呼吸器外科になるそうです。

 

 

·多い病気は?

呼吸器内科の病気は肺炎や喘息など多くの種類があり呼吸器外科より多いそうです。

 

最初から呼吸器外科の疾患もありますが、呼吸器内科の病気で手術が必要と判断されれば呼吸器外科へと変わったりすることもあるので基本的には呼吸器内科が入口になることが多いのかも知れませんね?

 

呼吸器外科の手術が必要な患者さんの約半数は原発性肺癌(肺から出来たがん)で、その他にも転移性の肺がん(他の臓器などに出来たがんが肺に転移したもの)や縦隔腫瘍(右肺と左肺の間に挟まれた縦隔に出来る腫瘍、代表的な疾患に肺気腫がある)など、また良性腫瘍では、気胸や膿が出来る膿胸などが多いそうです。

気胸は肺に穴が開く病気で10~20代の若い男性とたばこをずっと吸っていて肺が悪くなって発症してしまう50歳以上の中高年の人が多いそうで、若い人の方は治りやすいそうですが、高齢になってから罹患した方は、肺がわるくなっているので治りにくいそうです。

 

 

・呼吸器外科の治療について

呼吸器外科での手術は、ほとんどが胸腔鏡手術で、小さな穴を開けてろっ骨とろっ骨の間から手術する方法とのことです。

 

肺の上には肋骨があるので、腹腔鏡手術に比べて大変なんじゃないかなぁ?と思いますね?

 

昔は開胸手術が主だったそうで術後は肋間神経痛を発症したりして手術後もしんどかったみたいです。

 

今でも開胸手術はゼロでは無いですがとても少ないそうです。

 

手術は患者さんにとって心身ともにしんどい上に、開胸手術は身体にもリスクがあったり術後も影響が出たり大変なので、せめて胸腔鏡に移行出来る様になって来て良かったなぁ?と思いますね?

 

右肺には3つ、左肺には2つの袋があって肺がんの手術ではがんのある場所の袋を取り除くというやり方で手術を行うのですが、最近はかなり小さながんを発見することも出来る様になってきたので、袋全部ではなくてがんが出来ている袋の中のその一部分のみを切除するというやり方もあるそうです。

 

全国での肺がん手術は年間4800件程で、死亡率は0,4だそうです。

とても高い成功率なんですね!

 

 

・呼吸器内科との連携

呼吸器内科とは連携というよりペアで行っている感じだそうです。

手術前にも診断、術後の管理、手術後の治療としての抗がん剤や放射線治療など、患者さんのための最良の治療法のために呼吸器内科に限らず様々な所と連携しているそうです。

患者さんにもひとり一人事情もあって早めに仕事に復帰したいと思っている方や一人暮らしで不安も多い方、また家族のご意向などもあり、それらを考えた上でもっとも適したと考える治療法を提示しながら患者さんご自身の意向を聞いて患者さんと相談しながらどうしたら良いのか?最良の方法を模索するそうです。

なので、手術の時間よりも患者さんとの相談時間の方がずっと長いとのことです。

 

それだけ事前の話し合い、手術や治療を受ける患者さんご自身が納得することは大切ななことなんですね!

患者さんが納得出来るまでじっくり話し合いが出来るのは、患者さんの安心に繋がる様な気がします。

 

昔は告知しなかったので、患者さんとの深い相談ほ無かったそうですが、今は厳しい状況であってもちゃんと告知して、全部知ってもらった上で最適な治療を患者さんと模索していくそうです。

 

告知によって全部知って貰うことで、言いやすいこともあると思うし誤魔化す必要も無いので信頼もされやすいしちゃんとした話し合いが出来るので最適な治療法も話し合えるのかも知れないですね?

 

 

・呼吸器内科以外にも色々な部署と連携!

例えば病理診療科は連携と言うよりお世話になっているそうです。

手術中に切り取った腫瘍の一部を検査して貰い、悪性なら必要な所まで切り取り、良性だったらそれ以上切り取らないなどの判断が出来るなど、答えを出すところだそうです。

また、手術後のリバビリなどはリハビリ科、再発した場合の治療や緩和ケア、そして救急など多くの所と連携しているとのことです。

 

 

・宝塚市立病院呼吸器外科の特徴と取り組み

現在宝塚市立病院呼吸器外科は、長谷川先生と10年目のキャリアの先生と2名だそうです。

手術や回診など常に2人ペアで行っているのでいつも情報共有が出来るし意思の疎通も図れるそうです。

 

ご飯も一緒ってさりげなく仰っていたので、まさに阿吽の呼吸なんだなぁ?と感じました。

常に情報共有出来ることはとても大切な事じゃないかなぁ?と思います。

 

 

・呼吸器疾患のリスクを減らす習慣などについて

たばこは本当に身体に悪いと仰っていました。

肺がんの要因のすぺてがたばことは限らないけれど大きな要因の1つではあるそうです。

肺が溶けて苦しくなり時には亡くなってしまう肺気腫なともありますし、その他にも、喉頭がんや食道がん、動脈硬化にうつ病などにもなりやすいそうです。

肺の病気だけでなく、本当に色々な病気にかかってしまう可能性もあるので、たばこはとても怖いものなんですね?

病気の原因はわからないことも沢山あります。

けれど要因のひとつになり得る事がわかっているたばこは、いつか後悔しないためにも避けた方が良いかと思います。

また、すでに吸っている方は「禁煙外来」などは如何でしょうか?

 

 

·うごいた方が良い?

肺がんや肺気腫など肺の病気は息がくるしくなったりするので、安静にする方が良いと思われがちですが、長谷川先生曰く、出来れば使った方が良いそうで、散歩など息切れがしたら休憩しながら動いた方が良いそうです。

 

 

呼吸器の病気は痛みや辛さプラス呼吸が出来ない、苦しくなるという恐怖を感じる病気だと思います。

例えば、何かが喉に詰まったり、咳などで息が苦しくなる経験をされた方は分かると思いますが、本当にに辛いし恐怖を感じるのではないでしょうか?

そんな恐怖とも向き合っている患者さんはとても大変だと思います。

 

いつ病気になるかは誰にもわからないし、原因もわからない事が多いです。

ただそのなかで明らかに要因の1つと考えられているものを避けることは出来るし、日頃の生活を規則正しくすごしたり、食事に気をつけることでリスクを減らすことは出来るかも知れません。

 

お話しを聞いていて、少しでも長い期間健康に過ごすために、出来ることから少しずつ、ちょっと乱れ気味の自分の生活を見直して行こうかなぁ?と思いました。