「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-

皆さんお元気ですか?

玉井順子です!

 

今月の「市立病院の得した気分!」は整形外科部長 兼 人工関節センター長

藤原勇輝(ふじはら ゆうき)先生に「人工関節センター」をテーマに

オンラインでお話しをお聞きしました。

 

タウンガイド

 

・「人工関節センター」とはどんなところ?

宝塚市立病院の人工関節センターは、整形外科の一部署として、今年4月に開設されました。

地域住民や開業医の先生方への受診のしやすさをメインに考えられたとの事で、もちろん内科からや色々な所からもありますが、殆どの患者さんが整形外科の開業医からの紹介で来られるそうです。

 

人工関節に関する患者さんや先生方にとって、人工関節センターがあることで、行く場所や紹介する所がとても分かりやすくなり、紹介もしやすいのではないかと思います。

まさに受診のしやすさに繋がっているのですね?

 

人工関節センターは、看護師やリハビリの先生、薬剤師の方などそれぞれの分野のスペシャリストが集まり、月に一度患者さんの情報をミーティング等で共有するなど、患者さん一人一人にあった治療を行い、満足度の高い医療を提供出来ることを目的としているそうです。

 

 

・患者さんの主な症状と病気について!

主な症状はやはり痛みで、膝関節の痛みが一番多くて、その次に股関節の痛みだそうです。膝より下足首などもあるそうです。

 

 

男女別だと約8割が女性で、股関節に至っては約9割が女性だそうです。

 

理由としては筋肉の違いと、股関節に関しては日本の女性は股関節が痛みやすい形になっているそうで、股関節のかみ合わせが安定していない人が多いそうです。

 

 

·痛みと手術のタイミング?

膝関節の痛みは70代、股関節は60代くらいから多くなるそうで、元気であれば80代·90代でも手術されるそうです。

 

手術は痛みを取ることが一番の目的で痛みが続くと日々の生活にも影響が出て来ます。

朝起きたら寝るまでずっと痛みが続く、頭から離れない痛みを感じる場合は、手術のタイミングかも知れないとのことですが、あくまで手術は最終手段で、その前に痛み止めの湿布やヒアルロン酸の注射、リハビリで筋力をつけるなどの方法を試しても無理だった場合に手術となるそうです。

 

 

·人工関節手術で多い箇所は?

多いのは膝関節、股関節、肩関節などもあるそうです。

 

 

·人工関節とは?

素材は体に入れても大丈夫な生体親和性のある金属で出来ていて、部品の場所においてはポリエチレン·セラミックが使用されているとのこと。

 

 

·人工関節の耐久性は?

現在の耐久年数は、10年で95%以上、20年で90%以上で長期に渡っています。

 

痛みが再発した時にはその痛みが人工関節によるものかどうかを判断した上で再手術となりますが、年に1度受診、レントゲンでチェックして適切な人工関節の交換時期を判断するそうです。

 

 

·人工関節を長持ちさせるには?

体重を増やさない、関節周りの筋肉をしっかり鍛えるなど。

 

運動をすると人工関節が痛むのではないか?と思う人もいるそうですが、人工関節を守るためには筋肉をつけることは大事とのこと。

また、筋肉をしっかり鍛えて筋力をつける事で人工関節の手術を免れる方もいらっしゃるそうです。

 

筋力は関節にとってとても大切なんですね?

 

 

·筋力の鍛え方

スクワットは、膝を痛めない様に曲げるのは膝の直角くらいまで、10回3セットほどを2~3日に一度くらい···。

またプールで歩くのはとてもおすすめだそうです。

 

 

·宝塚市立病院の人工関節センターの進化···!

手術手技、ナビゲーション手術を行うことで手術中にリアルタイムで正確に状況を把握することが出来て筋肉を避けながら人工関節を正確に入れることが出来るため、今は筋肉を切らない低侵襲手術の流れになってきているそうです。

 

そのためより安全で手術後の痛みも少なくなり入院期間もかなり短くなっているとのことです。

 

以前に比べて痛みも減り入院期間も短くなってきているのは患者さんにとって大きな負担減になるのではないかなぁ?と思います。

 

 

·手術後の一般的なリハビリと入院期間は?

手術の翌日から立つ·歩く·曲げ伸ばしや可動域のリハビリは開始されるそうです。

入院期間は股関節で約2週間、膝関節で約3~4週間だそうです。

 

 

·人工関節を入れると···?

完全に元に戻る訳では無いけれど、痛みは殆ど感じることもなくなり自転車に乗ったり、スポーツやハイキング、山登りなどををされる方もいらっしゃるそうです。

違和感を感じるかどうかについては個人差もある様ですが、動きやすさや痛みなども昔に比べてかなり少なくなってきているとのことです。

 

例えば膝関節などで「快適なのでもう片方も手術して欲しい」と希望される方や、手術をして痛みのあった所を庇う必要が無くなったことで、もう片方の負担も減り状態が良くなっていく方もいらっしゃるそうです。

 

 

·日頃から気をつけることは?

筋肉を鍛えることと食べ過ぎに気をつけることだそうで、体重の増加は関節に負担がかかる様です。

 

関節周囲の筋力がしっかりある方はレントゲンで上軟骨が無くなっていても疼痛を訴えること無く生活出来ている印象で術後の回復も早い傾向があるそうです。

 

筋力大事ですね!

 

痛みも少なくなり回復も早くなり、ますます進化していく人工関節手術。

 

痛みが無くなったり軽減されることは単に関節を動かしやすくなるだけでなく、生活のクオリティを上げること、人生が楽しくなる、楽しみが増えるような気がします。

 

もしかしたら第2の人生が広がるかも知れません。

 

我慢しながらしんどい毎日を過ごしていらっしゃる方、少しずつ踏み出してみては如何でしょうか?

良かったら、かかりつけ医にご相談されるなどで、宝塚市立病院人工関節センターにご来院ください。

 

関節外来は火曜日·木曜日午前です。