「市立病院の得した気分!」-たからづかタウンガイド-

皆さんお元気ですか?

玉井順子です!

 

今月の「市立病院の得した気分!」は

脳神経外科主任医長 兼 リハビリテーション科主任医長

美山真崇(みやま まさたか)先生に「三叉神経痛の症状と治療法」について、オンラインでお話しをお聞きしました。

 

・三叉神経とは?

おでこから顎下までの顔全体に広がる12対の脳神経の一つで触った感覚や痛み、温度などの感覚を認知するための神経だそうです。

 

 

·三叉神経痛とは?

主に、脳の中枢部分である脳幹から出ている三叉神経が蛇行した脳血管に圧迫されて起きることが多い病気とのことです。

 

高血圧や糖尿、タバコなども要因の一つと思えますが、必ずしもそれだけでなくても発症する病気の様です。

 

 

·痛みのきっかけは?

三叉神経痛は何らかの原因でこの神経が受けた刺激を脳が痛みとして認識してしまうことから起きるそうですが、その刺激とは日常の生活では当たり前の事で、例えば歯磨きや洗顔、食事に頬に風が当たるなど些細なことで起きたりするとのことですが、何もなくても起きることもあるそうです。

防ぎようの無い痛みが突然何の前触れもなく起きてしまう!

本当に不安と恐怖を感じるのてはないかなぁ?と思います。

 

 

 

·影響···!

三叉神経痛は基本的に命に関わる病気では無いですが、「痛みが怖くて食事が出来ない」「歯磨きが出来ない」など日常生活にも支障が出て来て、常に痛みに対する不安と恐怖が付きまとっているので、中には精神的に参ってしまいうつ病などを発症する方もいらっしゃるそうです。

 

 

・どんな痛み?

三叉神経痛の痛みは、電撃痛と言うか刺される様な痛みで、「ほっぺたをキリで刺される様な痛み」と表現される患者さんもいらっしゃるそうです。

 

「キリで刺される」壮絶な痛みが突然襲って来るので、例えば知り合いの方と食事中に話せなくなってしまったりすることもある様で、家だとまだ何とかなるかも知れませんが、仕事中や外出時で痛みが出たら大変ではないでしょうか?

常に「痛みが出たらどうしょう?」と考えながら生活することは凄いストレスではないかなぁ?と思います。

 

 

 

·痛みの時間や頻度は?

痛みが続くのは数秒から数分だそうですが、重症になってくると発症する頻度が短くなってくるそうです。

 

 

 

·年間の患者数や男女比は?

全国で10万人辺り4,5人と言われているので、宝塚市の人口からすると、年間7,8人ではないかと考えられるとのこと。

また男女比は男性客より女性の方が2倍くらい多いそうです。

気をつけたい年代は50歳以上だそうですが、3,40代や高齢になってからでも発症するので、全年代気をつける必要がある様です。

 

 

 

·治療方法

主な治療法としては、「投薬」「外科手術」「ブロック治療」「ガンマナイフ治療」があります。

 

「投薬」は、デグレトールというてんかんで使用する抗けいれん薬を処方することで痛みをコントロールすることが出来て、7割以上の方が症状が大きく改善するとのこと。

ただ、副作用にふらつきなどが考えられるため、そのふらつきが大きく出る方やあまり改善されない方には、外科手術と言う方法もあります。

「外科手術」は、三叉神経の当たっている血管を物理的に当たらない様に剥がす手術で、キーホール手術等と呼ばれている耳の後ろに5,6㎝の小さな穴を開けて行う手術だそうです。

 

傷口も小さく患者さんの負担も少ないと思いますが、顔には様々な大事な神経があります。正常な神経を傷つけない様にモニタリングシステムを使用し手術も慎重に行っているそうです。

 

脳の手術と聞くと頭を開いて大変な手術になるんじゃないかなぁ?と思ったので、傷口も小さく患者さんの負担も少ないことに少し安心しました。

 

その他にも三叉神経に麻酔薬を挿入するなどして麻痺させる「ブロック治療」

また放射線を照射することで神経を麻痺させる「ガンマナイフ治療」などもあります。

 

現在、宝塚市立病院単独で行っている治療は投薬と外科手術だそうです。

 

 

 

·気づきにくい?

例えば歯が痛い場合は歯科に行って、「特に悪いところはありません」と言われても、頭の病気とは気づきにくく、原因が分からずずっと我慢している人も少なく無い様です。

三叉神経痛という病気を知って貰う事で、「特に異常は無いですよ」と言われた場合は、一度三叉神経痛を疑って欲しいとのことです。

 

 

·タイミングは?

「異常無いです」言われても、例えば顔を洗った時などに何時も痛い、何もしなくても定期的に痛みが出るなどの時は三叉神経痛かもしれないので、先ずはかかりつけ医に相談して下さい、とのことです。

 

何時起きるかわからない強烈な痛みを恐怖と不安の中、ずっと我慢し続けるのは本当に辛いと思います。

ただ何故痛みが出るのか分かりづらいこともあるかも知れません。

刺すような痛みが定期的に続く場合や、痛みがある場所に関わる医療機関で「特に問題が無い」と診断されたら三叉神経痛かも知れません。

痛みは不安と恐怖、そしてとても大きなストレスの原因にもなると思うので、なるべく早く相談された方が良いかも知れないですね?