8.6広島、8.9長崎
8月7日(日)午後5時30分からの「サンデー・トワイライト」。
8月6日、8月9日は何があった日かご存知ですか?今から77年前の1945年。8月6日の午前8時15分広島、9日の午前11時02分長崎。人類史上初めてとなる原子爆弾が人間の暮らす街へ投下された日です。6日と9日の間である8月7日の放送では、広島と長崎を舞台とした小説、映画の話をします。
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広島への原爆投下を描いた小説は何篇かありますが、今回は原民喜『夏の花』を。
長崎への原爆投下を描いた小説として、井上光晴の『明日』をご紹介します。
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戦後すぐの1946年生まれである番組パーソナリティの谷泰三さんは、幼いころに見た戦争の傷跡を鮮明に憶えているとおっしゃいます。神戸や大阪も大きな空襲を受けました。そこで多くの生命が失われました。広島と長崎では、新型爆弾と称して原子爆弾が投下されました。その威力は凄まじく、街が一瞬にして破壊されました。
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広島を描いた『夏の花』では、朝起きてトイレに入った主人公のもとに原爆がさく裂します。
長崎を描いた『明日』では、新婚初夜の翌日、赤子が生まれたその朝、戦時下とはいえ、誰もが明日に向かって精一杯生きていたその時、長崎上空に一機の飛行機が到来します。
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戦争のない世界というのは、近代からの歴史を見ても皆無なのではないでしょうか。今もウクライナでは戦争状態が継続しています。内戦状態にある地域もあります。宗教的・民族的対立も多く見られます。とりわけウクライナとロシアによる戦闘状態の情報は、私たちのもとにも多く入ってきています。そこで失われる生命のことを思うと、77年前に広島と長崎に投下された大量破壊兵器が、また使用されるのではないかと危惧してしまいます。決してそうした事態にならないよう願うしかないのですが、77年前の記録である『夏の花』と『明日』という小説を読むことで、戦争に対しての意思表示をするヒントになるのではないかと考えています。
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いずれの小説も、文庫本で刊行されています。