8月6日 たからづか8丁目35番地 川柳の時間
たからづか8丁目35番地 川柳の時間
炎暑。狂夏。灼熱の八月となりましたね。鑑賞担当は茉莉亜まり、パーソナリティは山崎彫科さん。生放送、エフエム宝塚youtube公式チャンネルにて同時生配信お届けしました。アーカイブはYoutubeに一週間程度のこります。
番組内でご紹介できなかったお作品の抜粋と講評です。
野の花を愛でて俄かに避暑の人
カッシュママ
可憐にさりげなく風に揺れる野の花が目から涼をくれる。一瞬で暑さを忘れ、避暑の人に。
ふんふんとしているように吾亦紅
川端日出夫
われもまた紅なり、とつんつん、ではなく、ふんふん。紅の自信を誇って納得しているふんふん、なのか。読み手がふんふんをどう読み解くのかが問われる。
言葉にも文字にも出来ず花は今
涼閑
言葉以前の、文字となる前のすべてをはらんで花はただ咲いている。もしかすると花は、言葉に、文字にしようとする人間の傲慢を、今、見ているのかもしれない。
眼背けず見るべきは見る 八月よ
和音
わが国では八月。世界ではいまもまだ。見るべきを見る。忘れずにいる。祈る。八月も。八月を思わせるすべてのことにも。
蝉が鳴くヒロシマナガサキンジュウバシ
徳道がづみ
蝉が鳴く。いまも鳴きしきる。ヒロシマ。ナガサキ。センソウセキニンはいずこに。
かなしみの襲うこの国の夏、八月。伝え続けるように蝉はなくのか。
ある懺悔、浅瀬に見える深みにて
高良俊礼
誰にも告げることなきある懺悔。深く在るはすがときに浅瀬に姿を現す。水面越し、その深さを失わぬままに。
★写真キャプション
9月17日(水)~10月5日(日)
~海あある街の月のおと~ 茉莉亜まり展 @神戸塩屋海角1階 舫書店さんにて
高良俊礼と茉莉亜まりのzine『pico luna』、茉莉亜まり川柳豆本『月のおと』『花のこゑ』をお取り扱いいただいている舫書店さんの店内で作品の展示をさせていただきます。
展示期間中の9月20日㈯18時からはzine『mimoza』を発刊しているとし総子、城水めぐみ、茉莉亜まりが書肆ミモザとして川柳の鑑賞会「十七音の夜会」をひらき、みなさまをおもてなしいたしますお茶とお菓子をいただきながら川柳のおはなしをする夜会。詳細は書肆ミモザ各人のSNS、舫書店さんのインスタグラム等でご確認ください。