知ってほしいな 私たちのこと

今日は、一般社団法人 宝塚市 手をつなぐ育成会 宝塚すみれ隊による「知ってほしいな 私たちのこと」というテーマの福祉学習研修会の内容を紹介していきたいと思います。

「宝塚市 手をつなぐ育成会」というのは、知的に障がいのある子どもを持つ、親の会です。お子さん達が、住み慣れた宝塚で、のびのびと成長し、自分らしく暮らしていけるようにという思いで、色々な活動をされています。

その活動のひとつとして、一人でも多くの人に「知的障がい」のことを正しく理解してもらうために

「宝塚すみれ隊」を立ち上げられ、地域の集まりや小中学校の生徒さん、看護学校の学生さん、学校の先生方などに向けて、今回の研修会のような、啓発活動を行っていらっしゃいます。

 

まずは、「知的障がい」というのは、おおむね18歳頃までの発達期に生じた「知的機能の障がい」によって、知的能力と社会生活への適応能力が遅れた水準にとどまり、日常生活において困難を抱えている状態を言います。

先天的・後天的、さまざまな原因による脳の機能障がいです。

 

最近は「発達障がい」という言葉も良く耳にします。この発達障がいの中でも分類があって、自閉症スペクトラム症・学習障がい・限局性学習障がい・注意欠如多動症、そして知的障がい、といった分け方があるそうですが、それぞれが重なり合って、合わせ持っている方もいらっしゃって、それぞれの特性があるということです。

今回、私が参加させてもらった、宝塚すみれ隊のみなさんによる福祉学習研修会では、

専門家の先生の講演とは違って、知的障がいのお子さんを持つ親御さんたちが、色々な特性だったり、具体的な接し方などについて、たとえ話や、実際にあったエピソードなどを交えて、丁寧にお話してくださるので、とても分かりやすかったです。

 

たとえば、小さな瓶の口には一度にたくさんの物が入れられないように、知的障がいを持つ方は、知識や情報といったものが頭にスムーズに入れることができない為、わからないことが多く、とても不安を感じながら生活されているそうです。

 

特性からくる様々な行動をいくつか紹介しますと、

・心を安心させるために、いつもの席・いつもの道・いつも使っているもの等、特定の場所や物にこだわる事がある。

・気持ちが落ち着かない時は、歩き回ったり、手を動かして平静を保とうとすることがある。

・独り言をぶつぶつ言いながら気持ちを整理する。

・聴覚の過敏さから、耳をふさいだり、自分の声で落ち着こうとして、大きな声をだしたりすることがある。

・自分の興味のあることに対して、とことん熱中する傾向がある。

・抽象的な概念や、複雑なことは理解しづらく、ルールや約束事がわからなかったり、見通しを立てることが苦手である。

・コミュニケーションも苦手で、他人とトラブルになったり困ったことが起きても、自分から助けを求められない。

など、他にも人によって異なる、様々な特徴がありますが、このような特性があることで、社会参加がしづらい要因となったりもします。

そのため、知的障がいのある人の社会参加には、環境整備も重要ですが、やはり人による支援、ソフト面の支援が特に重要となります。

 

実際に、興味があることが目の前にあると、まわりが見えなくなってしまうことがあることから、危険なことや驚かせてしまうこともあるそうで、そういった場面では、ゆっくりと「危ないよ」「やめてね」などと声をかけてもらえると嬉しいです。とのお話もありました。

 

また、参加者が実際に、当事者の方々が感じているような感覚を疑似体験してみる内容もありました。

まず複数人の方が前に出てきて、同時に話をするので、この中の一人が話している指示を聞き分けてください。という体験でした。当然誰が何を話しているのか全く聴き取れず、聴力が敏感だと普段からこのように聞き分けるのが、とても難しいのだ、ということがよくわかりました。

 

さらに、手に二重の手袋つけて、小さな折り紙で鶴を折るという体験もしました。私はもともと折り紙は得意なのですが、二重に手袋をつけていので、思うように指先が動かせず、スムーズに折ることができませんでした。そんな風に、細かい作業が困難であるという事や、「あと1分です!」と、時間制限も設けられて、「早くして」と声をかけられることにより、普段以上にあせりや不安、もどかさといった感情も体験しました。

 

実際に疑似体験をすることで、ただ話を聞くよりも、こんなに複雑でこころにもストレスがかかる要因の中、生活されているのだという事が、少しですが理解できたように思います。

 

パンフレットには、こんなメッセージが書かれています。

「苦手なことはたくさんあっても、周りの人の理解や手助けで、できるようになることもたくさんあります。

知的障がいのある人にとって、一番大きなバリアは「人のこころ」です。

「人の心のバリア」とは、障がいのある人に対する、社会の偏見や差別。障がいのある人に対する社会の理解不足です。

「偏見や差別」は、理解不足から生まれます。

「私たちの心」や「社会のありよう」で「バリア」は無くなり、知的障がいのある人の「困りごと」は無くなります。

困っている人に気づく。気づいたら声をかける。「心のバリアフリー」が広がれば、知的障がいのある人たちも

暮らしやすい社会になるのだと思います。

障がいのある人たちに優しい社会は、障がいのない人にとっても優しい社会です。」

 

また、ヘルプマークについても説明が書かれていました。

ヘルプマークは、知的障がいの人や内部疾患のある人など、見た目だけではわからないけれど、支援や配慮を必要としている人が身に着けています。

知的障がいの人たちは、突然の出来事に対応することが苦手なので、事故や災害の時、どうしていいかわからず困ってしまいます。そんな時、気づいて声をかけてもらえると助かります。

と書かれていました。

 

万が一、そういった場面に遭遇した時には、少しでも安心できるように、ゆっくりと!短い言葉で話しかける!といった方法の知識を持っていることで、私自身もとまどうことがなくなるのかなと、今回の研修を受けて思いました。

 

私はこれまで、知的障がいを持った方をお見かけすることはあっても、実際にかかわりを持ったことはほとんどなかったので、漠然とした認識しか持っていませんでした。

おそらく、私のような方は他にも大勢いらっしゃるのではないかと思います。

 

今回の研修会で私が学んだり、知った内容というのは、知的障がいを持つ方やそのご家族の方々の生活の、ほんの一部をのぞいた、という程度にすぎないと思います。

それでも、正しく理解することで、私や参加した皆さんの、こころのバリアフリーが少しでも広がったとても意味のあるものだったと思います。

多くの方に、まずは正しく知るという機会を持ってもらい、自然と助け合える、そんな社会になっていけばいいなと思いました。

 

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